ヤムドク湖 ギャンチェを過ぎると、またまた車は急上昇。タイヤの溝がほとんどない我らのジープを、それまで大して気にもしてませんでしたが、この日ばかりは違います。朝からの小雪で急な山道は滑りやすいうえ、ガードレールの無い道の端は崩れやすい。右側通行のチベットでは、こちらはその断崖絶壁側なのですから、すれ違いは恐怖でした。 それでも何とか無事に登りきり、ニチェンカンサの氷河の端で記念撮影。そして5020mのカロー峠を越えると眼下には、チベット語で「トルコ石の湖」と呼ばれる美しいヤムドク湖が広がっていました。 チベット名「トルコ石の湖」の、ヤムドク湖 カロー・ラから車に揺られること約3時間、最後の峠”カムパ・ラ”(標高4794m)に着きました。ここまで来ると雪はやみ、眼下のヤムドク湖はトルコ・ブルーがより鮮やか。反対側(進行方向)に目をやると、うねうねと急降下している山道の向こうに、7日前に渡ったヤルツアンポ川が遥かに見て取れます。 酸素摂取量の変化に一喜一憂し、食後欠かさず予防薬を飲み、時には酸素枕をかかえて寝た、あのチョモランマBCから「無事に戻ってきたんだ」と、感慨無量の一瞬でした。