17日目 : ダニーデンはスコットランド移民の手で築かれた街です。予約を入れたワイルドライフ・ツアーは午後3時発なので、それまで『スコットランド以外で最もスコットランドらしい町』と言われる市内見学をしましょうと、昨日バスの窓から見かけたダニーデン駅を見学してから博物館に行くことにしました。
オクタゴンから港方面にまっすぐ下っていくとダニーデン駅にぶつかります。20世紀初頭に建てられた駅舎は、前庭の植え込みもきれいでまるで宮殿のようです。
ホームへ抜ける中央ホールは、高いガラス天井から光が射し込みとても明るい。観光スポットになっているのでしょう、ツアーバスが着くと観光客がワッと入ってきて、パチパチとカメラ音を響かせては去っていきます。壁面に配された機関車のステンドグラス、列車や標識をデザインした床のモザイクと相まって100年前の建物とは思えないほど洗練されてお洒落な空間でした。
訪問した街に博物館にあれば取り敢えず行ってみることにしています。ニュージーランドで一番の規模を誇るウェリントンのテ・パパはすでに見学済みでしたから、ここはまあ時間調整のおまけみたいな物。程度の気持ちでやってきました。
卵を守るモアのお母さんに迎えられて中に入ると、シンプルな入り口からは想像できないほど広い展示室が待っていてくれました。高い天井を生かした立体的な展示法で、通路にワニが待ち構えていたり、壁面にある岩山の穴を降りて行くと下の展示室に出たりと、子供でも楽しめそうな構成にすっかり魅了されてしまいました。こんな予想外は大歓迎です。
マオリ文化の展示は当然ながら、ここで感激したのはニュージーランドの野生生物の展示室です。骨格見本や剥製、写真・イラストを駆使しての展示は、英語の解説文が良く判らなくとも「来館者に理解してもらいたい」と言う学芸員の熱意が伝わってきました。テ・アナウのタカヘの所で触れましたタカヘとプケコの骨格比較は、向かって右の画像です。
最上階から上を見上げたら、ロイヤル・アルバトロス(アホウドリ)が飛んでいました。さあ実物に会うために、宿に戻って支度しましょう。