『アオラキ/マウント・クック国立公園は70,111ヘクタールの広さを誇り、壮大なこの山岳地域を総ての人が楽しめるよう自然のままの状態で保護することを目的としている。ニュージーランド最高峰、標高3754mのアオラキ/マウント・クックを中心に3000m峰19座が連なるサザン・アルプスと、ニュージーランド最長の氷河が含まれている』
YHAから遊歩道を10分ほど登っていくとビジターセンターに到着します。こちらではアオラキ/マウント・クック国立公園の自然・歴史・成り立ちを豊富な資料で知ることができます。日本語のトレッキング・マップを1NZ$で売っていますので、周辺を歩く予定の方は購入しておくと良いかと思います。
地図や動植物の展示を見ているうち、面白いパネルに気づきました。マウント・クックの前に、何故「アオラキ」と付いているのか不思議でしたが、どうやらそれはマオリの伝説に基づくもので、その話がこちらのパネルで紹介されているようです。本文は英語でしたので要約します。
『天の子供アオラキとその兄弟が乗ったカヌーが座礁し、西側が高くなった状態に傾いてしまった。彼らは高い方によじ登って座っていたがやがて石となり、アオラキ(雲を突き抜ける山)はマウント・クックに、兄弟達はその周辺のピークに、カヌーは南島となった』。
こちらはオタゴ博物館で見たアオラキとその兄弟達の冒険アニメーションです。カヌーのパドル(櫂または棹)を持つ様子が、ビジターセンターのイラストよりわかりやすいので入れておきました。
この伝承により南島は『アオラキのカヌー』、マウント・クックは『アオラキ/マウント・クック』と呼ばれるのだそうです。「ナールホド」。南島を転覆したカヌーに見立てれば、サザン・アルプスが西側に寄っていて、その中央部にアオラキが聳えているのが肯けます。このイラストを見ているうちに、傾いたカヌーに必死にしがみつく天の子供たちの姿が、徐々に現在の南島とアルプスの景観とオーバーラップしてきました。皆さんにはどう見えますか?
周辺には日帰りで楽しめるハイキングコースがいくつかあります。2泊3日の滞在中、歩いたのは以下の3つのコースです。3,4,7の数字は地図の番号と対応しています。
Map 3) Hooker Valley | フッカー・バレー | 往復4時間 |
Map 4) Kea Point | ケア・ポイント | 往復2時間 |
Map 7) Red Tarns | レッド・ターン | 往復2時間 |