世界で最も古い都市の一つ、ビブロス。アルファベットの表音表記を後世に残し、「聖書」(バイブル)の語源ともなった古代都市、ビブロス。そしてここの特異性は、「BC7000年の昔から今に至るまで一度も放棄されることなく人が住み続けている町」であるということです。 |
地中海を見下ろすローマ時代の劇場跡 |
自国のレバノン杉と、エジプトの金・アラバスター・パピルス・麻布との交易貿易で巨万の富を築いた都市。パピルスはここを経由してギリシアにもたらされたため、彼らはこの町をパピルスのギリシア名「ビブロス」と呼んだのが都市名として定着。さらにそれをまとめたもの(本)を表わすギリシア語から、「バイブル」という言葉が生まれたというのですから歴史は面白い。
そんな歴史もあってか、遺跡に至る商店街も石造りで趣があります。なだらかな丘になっている敷地内には各時代の遺構が点在し、常に海の気配を感じながらの散策は楽しいものでした。ただ入り口にそびえる十字軍の要塞の壁に、ローマ時代の柱が無造作に使われていたのは痛々しく、見るのが辛くなってしまいました。 |