古代の森を抜け、地層ごとに各時代の遺物の飾られた半周ほどの通路を、縄文時代・弥生時代・平安時代と時代を辿って行くと、やがて現代の地上に出ました。ここは二層目に当たり、発掘成果を展示したミニ博物館になっています。 |
1階展示室 |
二足歩行を始めた人類の進化を、各世代の頭蓋骨で表した入り口展示に、ちょっとギョッとしながら中に入ります。富沢遺跡中心なので展示品は少ないのですが、クイズ形式になっていたりして小さいお子さんも結構楽しそうに見学していました。
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氷河期の森を形成していたのはグイマツ・モミなどの針葉樹と、少しだけですがハンノキなどの広葉樹。その中で大きな割合を占めていたのは、トミザワトウヒ。富沢遺跡の名を冠した2万年前の森の代表です。
この「トウヒ」が何のことだか判らず広辞苑を引いてみると『唐檜(とうひ)はマツ科の常緑針葉樹。本州の亜高山に自生し、高さは約30メートル。樹皮は帯赤暗褐色。』とありました。「トウヒ」とは唐の檜(ひのき)、唐檜と書くのですか、ナルホドね。 |
トミザワトウヒとエゾマツの球果(松ぼっくり) |
さて、お次は「トミザワトヒ」。各種の球果が並べられているコーナーには:『富沢遺跡で新たに発見された絶滅種。球果の特徴が亜寒帯性の赤エゾマツに似ているが、わずかに異なる新種であるとし、福島大学名誉教授、故鈴木博士により「トミザワトウヒ」と名づけられた。』と解説してありました。
写真やイラストで見る限り、クリスマスツリーになるモミの木と良く似た感じです。ネットで調べましたら違いの一つは、『球果が枝から下に垂れ下がること』だとか。建物周辺は調査結果に基づいて当時の樹木や配置を復元した「氷河期の森」が作られていて、絶滅したトミザワトウヒに良く似たアカエゾマツやグイマツなどの針葉樹が植えられているそうです。この日は悪天候で散策できませんでしたが、お時間のある方はこちらも忘れず見学してきて下さいね。 |