玉砂利のひかれた参道を人の流れに乗って歩いていると、前が急に開け五十鈴川のほとりに出ました。淵には大きな鯉が泳ぐ、ここが”御手洗(みたらし)場”。参拝者が身(手)を清め、気を引き締めて内宮へと向かう場所でもあります。外宮とは異なり”御手洗(みたらし)場”が右にあるから、内宮では右側通行なんだそうです。
アマテラスのお住まい、内宮正殿は自然石を組み上げた石段の上にあります。外宮は平面的でしたが、内宮では自然に「仰ぎ見る」ような仕組みになっています。外宮でも「これは何かな?」と疑問に思った塀が、ここでも石段の下にありました。 |
厳重に守られている内宮正殿 |
正殿を直視しない(できない)よう板垣の門前に建てられた”蕃塀(ばんぺい)”だそうですが、最初「ここから写真を撮りなさい」という目安かと思っていました。
この神域を歩いていると、アマテラスにそれ以前にここに居た神様の姿が重なります。彼女は「大切に守られている」というより、「厳重に封じ込められている」ような空気を感じるのです。そう、ミャンマーのアン・サン・スーチー女史が軟禁されている様に。 それともう一つ、思い出したことがあります。以前トルコを旅した時「貴方の国のアマテラスは、この国の女神アルテミスが東方に伝わったものなのですよ」とトルコの人から言われたことを、です。 |