専攻を変え3回目の入学となった放送大学。今期は「権力の館」と「錯覚の化学」の2科目を取りました。「権力の館」を執筆したのは、、「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」のメンバーにもなっている政治学者、御厨貴教授です。初回の授業で紹介されたのは、老境を迎えた元老西園寺公望が住まいとした興津の「坐漁荘」でした。
様々なエピソードと共にに映し出される家の佇まいに興味を惹かれ始めたところ、「実はこれは復元家屋で、オリジナルは明治村に移築されています」とのこと。明治村には夏目漱石の旧宅も移築されているし、旧帝国ホテルも見てみたい。と言うことで、行ってきました明治村。
駿河湾に見立てた入鹿池を見下ろす高台には庭木も一緒に移築されており、「庭を移すのにはかなりの時間がかかった」と聞きました。これにより当時の興津「坐漁荘」の雰囲気がリアルに感じれれます。「興津詣での記者たちが垣根の脇に陣取っても2階の居間に座す客人が見えないような配置であった」と授業で聞いたように、確かに両者は絶妙な位置関係にありました。内部は自由に見ることはできず、1日8回催行される建物ガイドによる見学となりますがこの2階からの眺めは必見です。ガイド時間をチェックして、貴重な口吹きガラスの歪みと共にお楽しみください。
さて「錯覚の化学」の方も中々に面白い授業です。こちらは有名なチェッカー・シャドウ錯視」で、「AとB、両者は全く同じ色なのにBの方が明るく見える」錯覚現象です。他にも「カフェ・ウォール錯視」「クレーター錯視」「ポンゾ錯視」等々トリッキーな錯視に、授業を受けながらも「エッ、噓でしょう?!」と思ってしまいます。これらが次々に科学的に解明されていくのですから、試験のことを考えなければ本当に楽しい科目です。
遠近感を建造物等に利用した例として、鎌倉八幡宮の段葛が紹介されました。参道入り口では約5m幅だった参道が八幡宮に近づくにしたがって狭くなり、最終的にはほぼ半分になっています。実際より距離が長く感じてしまうこの錯視、東京デズニーランドなどでも見られますよね。各地のアミューズメント施設でも積極的に利用されているそうですから、気を付けて見ていれば又新しい発見があるかもしれませんよ。