母の遺品を整理していて制服姿の祖父の写真を見つけました。幼いころの話としては「お父さんが横浜税関に勤めていたが、剣道の試合に行って倒れて帰らぬ人になってしまった」と聞いていますから、これは税関の制服に違いありません。でも、日付も何も書いていないのでそれがいつ何処で撮られたものか判らず気になっていました。先日母の戸籍を取るため横浜市中区に行った際、情報を求めて税関資料館に寄ってきました。
現在の税関庁舎で撮られたのではと推測していたのですが、行ってみるとどこか違います。受付でこの写真を見せて聞いてみると、「アー、これは関東大震災で倒壊した2代目庁舎ですね。現在の建物は昭和9年(1934年)に建てられた3代目なんですよ」と教えてくれました。ちなみに祖父友治郎は前列左から2番目、制服がダブルなのは幹部なのだそうです。
こちらは象の鼻パークにある横浜税関解説パネルにあった、「明治18年(1885年)建造大正12年(1923年)崩壊」の2代目庁舎の写真です。中央を良く見ると玄関上の菊のご紋章をアレンジしたような装飾が見て取れ、祖父の写真とも一致しましたからこの建物に間違いありません。祖父の年から考えると、写真が撮られたのは1910~20年前後、大正時代の初めごろということになりそうです。
NHKの「ファミリーヒストリー」でも見ているかのような気持ちになった、今回のミニ横浜訪問。次回は母の小学生時代の写真を持って、生家付近を散策してみようかなと考えながら帰路につきました。