『幕末、開港を迫る欧米列強に対抗しようと、水戸烈公徳川斉昭は大砲鋳造を命じる』。その一大事業のため南部藩や薩摩藩から識者が招かれ、地元の大工飛田与七が棟梁に抜擢されました。 |
飛田与七が描いた反射炉の設計図 |
大砲を作るためには見たことも無い”反射炉”を建造しなければならず、そのためにはまず耐熱レンガを作る必要に迫られます。水戸藩領をくまなく調査し、やっと見つけたのが小砂(こいさご)の陶土だったそうです。近代製鉄への歩みは釜石鉄の歴史館でご覧下さい。
反射炉 : 製鉄に用いる、耐火煉瓦で築いた炉。燃焼室と加熱室とは別になっていて、炎は炉頂に沿って流れ、天井と側壁からの放射熱で鉱石や金属を製錬または溶融する。 (広辞苑による) |
先日、家路のキャンプ(正式には”第39回キャンプの仲間”)が馬頭町であり、2日目のフリータイムに近くにある窯業史資料館に行きました。まあ、ビックリしましたね。だって展示品の中にここと同じ耐熱煉瓦があったんです。「ここの粘土だったんだ!」。 |
苦心の耐熱レンガ |
それにしましても、情報のほとんど無かった江戸末期、命じられるまま反射炉建設に奔走する、若き飛田与七等の苦労。現代であれば必ずや、”プロジェクトX 挑戦者達”に採用されただろう、と感じ入ってしまいました。 |