『古期岩層から成る日本弧状山脈が太平洋に向かって前進し、その前面に現れた七島山脈に衝突し、北日本弧と南日本弧の二つに引き裂かれ、その間に巨大な裂け目が生じた。それがすなわちフォッサマグナである。 − 明治初期、日本に近代地質学を伝えたドイツ人学者エドムント・ナウマンの解説による − 』
これを要約しますと、大陸の一部だった古日本列島が太平洋に押し出され、伊豆七島山脈にぶつかって二つに引き裂かれた。それが大きな溝、フォッサマグナ。その裂け目が沈んで海になり、海底火山の活動で大量の噴出物が堆積、やがてそこは隆起して陸地となり、その後に生まれたのが八ヶ岳や富士山。と言うことです。 |
フォッサマグナ(大きな溝)・ミュージアム |
世界に巨大断層はあっても、列島を完全に2つに引き裂いた大きな割れ目は日本だけ。以前は、大地溝帯と訳した書物も多かったのですが、溝の西端は確認できても東端は不明瞭(存在しないかもしれないんですって)。よって、ここは大地溝”帯”ではなくて、フォッサマグナ=大きな溝、もしくは糸魚川・静岡構造線と呼ぶのが正解なのです。 |