事前に取り寄せた資料の中に『ノルウェーの画家ムンクの「叫び」のような表情の・・・」と記された石面の写真があり、対面を楽しみにしていました。凝灰岩で造られた実物は、縦10.2cm、横7.4cm、厚さ4.5cm、重量320g、と意外と小さい。まるで能面のように、角度によって違う表情を見せてくれます。最初は不気味に感じたのですが、そのうち幼子のようにも見えてきました。貫通させた円形の口や少し細くさせた頬からは、願いを込めて製作したであろう作者の思いが伝わってくるようです。 | |||||||||||||
歌っているような笑っているような人面石 |
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この人面石も土偶や人面土器同様、祭祀に使用されたらしいのですが、石を加工した人面とは珍しいですね。一体どんな風に、宗教儀式に使われたんでしょう?
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展示品の中でもうひとつ「ワォ!」と思ったのが、焼いた鹿の骨”卜骨(ぼっこつ)”です。古代史関係の本でその名前は知っていましたし、写真でも見たことがあります。でも実物は・・・、ほとんど記憶がないのでもしかしたらこれが最初かもしれません。 | |||||||||||||
吉凶を占った卜骨(ぼっこつ) |
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説明文によると、『卜骨と骨占い:魏志倭人伝の中に「行事や旅行に際して、骨を灼いて吉凶を占う」と言う記述があります。大切なことは、シカやイノシシの肩甲骨を灼き、そこにできるヒビを見て決めていたようです。この骨のことを卜骨と呼びます』。
倭人伝に記された王都の存在を裏付けする出土品の数々。それをもっと多くの方に知ってもらおうと、現在遺跡の復元と一支国博物館整備構想が進行中です。場所は内海も見渡せる遺跡北東部の丘陵地帯とか。そうなると無料で見学は出来なくなるでしょうが、これで壱岐再訪の楽しみが増えました。 |
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