資料館は独立した建物ではなく、市の施設の一角に併設されています。窓口で記帳すると、音声案内ガイド器を「これを聞きながら見て下さい」と手渡され向かいの部屋に案内されました。保管庫のようなドアを開けて電気をつけてもらいますと、想像以上に立派な展示室が目の前に現れました。 | |||||||
資料館内部は宝の山 |
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展示ケース(各遺跡)ごとの音声ガイドは詳細で、ただ解説文を目で追いながら見て歩くのとでは雲泥の差。より理解が深まりました。黒曜石のやじりから古墳時代の副葬品まで、ここに並べられている出土品の豪華さはまるで宝の山のようです。
遠隔地との交易を物語る、津軽地方の骨製品や沖縄の貝、そしてもちろん朝鮮半島からの品々。弥生時代の日本を客観的に記した「魏志倭人伝」の記述を裏付けるような遺物が並べられていました。 |
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館内撮影禁止だったので、最初は音声ガイドを繰り返し聞きながらメモを取っていました。でも余りにも「多すぎる!」ので、職員の方に「撮影させてください」とお願いしてしまいました。 | |||||||
恵比須山遺跡出土の県指定文化財 粟粒文方柱十字形把頭飾(あわつぶもんほうちゅうじゅうじがたはとうしょく) |
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展示品はどれもが素晴らしかったのですが気になったのは、二重のケースに収められていた粟粒文方柱十字形(あわつぶもんほうちゅうじゅうじがた)把頭飾(はとうしょく)、始めて見た鹿笛と、そして磨製の石剣(銅矛のような形の石の剣)でした。 | |||||||
佐賀貝塚出土、鹿角製「鹿笛(縄文後期)」 鹿の声をまねておびき寄せる狩猟具(左右6.2cm) |
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鹿笛 : 『鹿の声をまねておびき寄せる狩猟具。北海道や熊本に7世紀の資料があるが、佐賀貝塚(縄文後期)の物が最も古い。全国で20例近く残っており、サンゴ(鹿の胎児)の川などを貼って吹いた。縄文時代から鹿笛猟が行われていたことを示す貴重な資料である。』 | |||||||
縄文時代の鹿笛(上)と日本鹿の鳴き声(下)のソナグラフ |
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音声ガイドつきの、こんなに充実した資料館は初めてです。それなのに入館料は驚きの「無料!!!」なんです。周辺の遺跡の発掘研究が進み、当時の暮らしぶりがもう少し鮮明になってくることを期待して感謝の気持ちにかえさせて頂きます。写真を撮らせていただき、本当にありがとうございました!
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