2番目に訪問した村で、注連縄(しめなわ)のような印を出している家がありました。重病人がいるとかで撮影は厳禁です。村を一回りした頃、子豚のキイキイとした悲鳴が聞こえてきました。急いで声のする方に行って見ると、女性が何やら唱えながら子豚と鶏に水を降りかけています。「写真は撮らないで!」とTraが言うので、男性が棒の一撃で彼らをおとなしくさせるまで、ポケットの中でカメラを握り締めていました。 |
囲炉裏に置かれた小豚と鶏 |
草などで作られた儀式用品、 上から、供物をのせるお皿、船、水牛 |
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場所が集会所に移ると「中に入っても良い」とお許しが出ました。恐る恐る高床式の集会所に入っていくと、子豚と鶏は中央の囲炉裏に置かれ、横には儀式に使う品々を作っている人がいました。どうやらこの生贄、例の重病人の病気治癒を祈るため、の食べ物のようです。
儀式用品を見て日本を思い出しました。水牛はお盆の時の野菜の馬を、船は装飾古墳や銅鐸の図柄を連想させたからです。どこかで文化が繋がっているんでしょうね。
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口ばしと羽で作られた鳥 |
子豚の表面を焼き毛をこそげる |
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この囲炉裏端で鶏は、口ばしと2枚の羽を取られて儀式用の鳥に変身。子豚は表面を焼かれ、毛をきれいに始末されていきました。本当は最後まで見届けたかったのですが、ここで時間切れ。まだ予定が残っていましたので、後ろ髪を引かれる気持ちで村を離れたのです。 |