自然史博物館の項でも紹介しましたが、「石が多い、風が多い(強い)、女が多い」済州島では独特の生活文化が育ちました。「チャングムの誓い」ロケで有名になった済州民俗村博物館をはじめ、島内にはいくつかの民俗村があり、その様子を実際に見ることができます。どこが良いか聞かれたので、「観光客の少ない場所」にしてもらいました。万丈窟・城山日出峰・ソプコジ、と歩き回ったので、ちょっと観光疲れしていたのです。 |
実際人々が生活している城邑民俗村 |
こんな訳で、本日最後の訪問地は「城邑民俗村」と相成りました。「民俗村」と称していますがここは、人工的に作られたのでも、囲いがあるわけでも、入場料を取るわけでもありません。人々が普通に日々の暮らしをしている村にお邪魔し、少し様子を見させてもらう、そんな場所です。日本で言えば、「町並み保存地区」でしょうか。
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とは言っても中心になる一角があり、そこに車が着くと村の人が出てきて自分の部落を案内してくれます。独特の丸い藁屋根と低い軒は風を避けるための知恵。家々の門にあたるジョンナン(三本の丸太)の意味や、豚の飼育とトイレ、天水を溜める工夫、そして水汲みに使われたムルホボクと、流暢な日本語で説明してもらいました。最後は集会所でお茶の接待。案内は村人が交代で行い、謝礼は不要だができたら村特産のお茶を買って欲しい、とのことでした。 |
雨水を溜める知恵 |
トルハルバン形の公衆電話 |
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案内が終わったら自由に村の中を散策してみましょう。道端に佇む、大小のトルハルバン(石製のおじいさん。日本の道祖神の役目かな)を見ながら歩いていくと、朝鮮王朝時代の地方役所「日観軒」跡や、樹齢600年の榎の巨木などが道路の両脇に点在していました。雨水を溜める甕とか、トルハルバン型の電話ボックスもありましたよ。 |