沖縄県内22のダムの内11か所が本島にあり、そのほとんどが北部ヤンバルに作られています。本日はその中の1つ、「ダム100選」にも選ばれた漢那(かんな)ダムに行ってきました。展望台に立つ解説版によるとダム100選とは『全国の代表的なダム湖を選定・顕彰することにより、(中略)地域資源としてのダム湖の多様な価値がさらに有効に活用されることを目的としたもの』だそうです。
宜野座村にある漢那ダムは本島中央部の東海岸に位置しています。『沖縄自動車道から眺望される位置関係にあることを考慮し(中略)景観設計を取り入れたダムとなっています』と資料に書かれているように、今まで見てきた県内のダムと比べ格段に美しく、又自然観察ができるビオトープ、家族連れでも楽しめる自由広場など周辺の施設も充実しています。
左側に見えるのが重力コンクリート式の本ダムで、両サイドには魚道と人間用の階段も設けられています。『石積み模様の化粧枠』の効果もあって、まるでヨーロッパの古城です。資料によると『沖縄の城(グスク)をイメージ』したのだとか。そう言われると「ナルホド」、そのようにも見えますね。ダム湖右に見えるのがロックフィル式の脇ダムで、その右手に前述の自動車道が通っています。
ダム下部の園地で見られたのは紫と白の斑紋が美しいリュウキュウムラサキ(タテハチョウ科)。
ダム上部には広大な湖畔公園と人口の湿地帯「めだかの学校」があります。この湿地で最初に見かけたのは琥珀色の翅が飛ぶ宝石のようにも見えるオキナワチョウトンボです。この個体、翅がまだ破れていないできれいでしょ。オキナワチョウトンボも珍しいそうですが、今日一番感激したのが、ピンクの胴体とレースのような翅を持つお洒落な雰囲気のトンボです。
最初「赤とんぼ?」と思ったのですが、それにしては胴体が赤くありません。説明版にはヒメハネビロトンボとありましたのでこれで間違いないとは思いましたが、紹介する前に「念のため確認を」と調べてみました。と「アレッツ!」、ヒメハネビロトンボの複眼は黒、胴体は赤、翅は黒みがかってどうもこちらも違うらしいのです。次に沖縄のトンボで検索してようやく見つけました「ベニトンボ!」。お洒落なレディ、の雰囲気ですが実はこちらはオス。メスは地味な茶色のトンボでした。
こちらは湿地帯への標識の裏にいたオオシマガマダラカミキリ。本州にいるゴマダラカミキリとはどこが違うのか、判りますか?
帰路に立ち寄った伊芸海浜公園の遊歩道ではカバマダラが飛び交っていました。野鳥観察のつもりで出かけて行って、ほとんどトンボと蝶を追いかけていた、本日の自然観察はこれでおしまい。