その後5世紀に渡り人々は「湖のどこかに聖なる剣が眠っている」と信じ、時々目撃される亀の姿を「レー・ロイを想い出させるために現れた」と思って見ていたそうです。この国にはフランスの植民地支配やあの泥沼のベトナム戦争がありましたから、宝剣を持って独立を勝ち取った英雄の姿に、自分達を重ね合わせて勇気を得ていたのかもしれません。 |
門に描かれていた亀 |
ホアンキエム湖に浮かぶ小島に架けられた橋を渡ると玉山祠があり、その門塀には還剣伝説にまつわる場面がいくつか描かれていました。これはレー・ロイから還された宝剣を背に、龍王の元へ向かう大亀の姿です。 |
1968年に発見された、体長2.1m、幅1.2m、体重250kgの大亀 |
1968年、体長2.1m、幅1.2m、体重250kgの大亀が発見された時、「あの伝説は本当だったのか」と大評判になったそうです。玉山祠に展示されている剥製を見ると、確かに「大きい!」のです。年齢は判りませんが、「よくこの小さな湖でここまで大きくなれたもの」と言うのが正直な感想です。
水上人形劇の演目にも「還剣伝説」があり、ハロン湾の鍾乳洞にも「還剣伝説の大亀」岩がありました。ハノイを語るのに、この伝承は外せませんね。 |