島の織物

 翌日は村の中央広場にある民芸品売り場に行ってみました。ウワサに違わず、島独特の模様を織り出したベルトやポシェット、手編みのカラフルな帽子などはどれも素晴らしい。目が慣れてくると作者によって(値段の横に作者名が記入されています)模様の細かさ、仕上げの方法などに差があるのが分かってきました。

 ここでは当番制で店番をしているらしく、本日の店員さんがしきりに自分の作った作品を勧めます。が、彼のは少し作りが荒いのです。そこで敬意を表して彼の作品を1つと細い糸で精巧に模様を織り出してある他の作者のポシェットを買う事にしました。このポシェットは上手な方の作品です。本日の買い物合計13ドル也。

タキーレのバッグ
タキーレのバッグ
 午後はおやつを持って、島の探検に出かけました。耕した土地から出た石を積んだのでしょうか、それとも風除けのため他から持ち込んだのでしょうか、道の両サイドは小石が積まれて塀になり、その向かう側が畑になっています。段々畑のように、人々が長年にわたり丹精を込めた土地だと言うことが、この風景からも察せられます。

 村は湖面から200m近く上ですから、村はずれからの眺めは格別。ここで持参のブドウを食べていたら、それを見ていた子ども達から刺すような視線。そうか、この島でブドウなど取れないんですね。こちらにとっても貴重なので、代わりに「島へ行くなら飴玉を」とあったキャンディーを一粒ずつ上げてきました。ウーン、もっと持ってくれば良かった。

 昨晩は寒かったのですが、日中は日差しが強くてお昼寝には最適な爽やかさ。それがこの日の晩は雹が降って、又一段と冷え込みました。「1日のうちに四季がある」と書かれたガイドブックを、「それはオーバーでしょう」と読み飛ばしてきたのですが、この記事はどうやら事実のよう。この厳しい自然環境の中だからこそ、換金品としての織物が発展したのかもしれませんね。

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