再び展示館に戻りました。館内にあった「徐福東渡推定航路」を見ると、済州島から2本の航路が、「真東にある」日本へ向って延びています。では、この位置関係を頭のどこかに置いて、展示館で上映されているアニメで「済州島徐福伝説:西帰浦(ソキボ)の由来」を見てみましょう。
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斉の人徐福(徐市)は、「海中にある蓬莱山に不老長寿の秘薬を取りに行きたい」と始皇帝に上申し、船団を仕立ててもらって東航するが、龍(史記によると大鮫魚)に襲われ、役目を果たせないまま秦に戻る。 |
不老長寿薬探しを始皇帝に願い出る |
艦隊は龍(文献では巨魚)に襲われる |
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徐福は再び始皇帝に面会し、「龍を退治するための大船団と上手な射手を用意してください」と願い出、数千人の童男童女、百工、五穀の種などを乗せ、再び出航した。 |
漢拏山で薬草探し |
とうとう霊薬をゲット |
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徐福の船団は済州島の北部に上陸して漢拏山に至り、とうとう霊薬を手に入れた。(注:この霊薬とは、抗ガン・滋養強壮・食欲増進などの効果があるため不老草との別名を持つ、シロミ(岩高蘭)やヒジリダケ(芝草)、ではないかと言われています。)
以上、展示館のアニメを基にして組み立ててみました。文献に拠っては多少違う部分もあります。図書館で借りて読んだ本など、徐福に関する文献を下に挙げておきましたので参考にしてください。 |
「徐市(福)過此」の岩文字 |
西帰浦(ソキボ)の由来 |
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さて、西に向うと言って出航しておきながら、実は徐福、東に向って日本に上陸したと言われています。さあ、漢拏山・五穀の種、そして済州島から見て東にある国、と聞いて何か連想しませんか?そう三姓穴神話です。
「何だか似ている」と調べてみましたら、ありましたありました。数冊の本に書いてあったことを要約してみますと、『徐福が日本に着いた時、3人の童男を済州島に置き忘れてきたことに気づいた。彼らを可哀相に思い、3人の童女と五穀の種を済州島に送ったと言う伝承がある』となりました。これでミッシングリングが繋がった、と言う感じですが、皆様どう思われます? |