牧官衙から自然史博物館までは、又タクシーを利用(1,800ウォン:約210円)しました。門の前には、くり貫かれた岩の中に別の岩石オブジェがはめ込まれたような、ユニークな形の物体が並んでいます。これらは総て、火山噴火の際の溶岩噴出でできた物なのだとか。まるで「現代アートギャラリー」のようです。 | ||
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溶岩石やトルハルバン(石製のおじいさん)を見ながら歩いていて、とっても気になったのが博物館のまん前に建つ不思議な噴水。女性(オモニかな?)の背負った容器の口から魔法のように水が湧き出し、下に置かれた水がめに手品のように吸い込まれていきます。
この容器はムルホボク。では解説の中から、その部分を拾ってみましょう。『済州島は水が乏しく、女性達が風の強い道を歩いて水を汲んで来た。そのため、口が細くて底の平たい容器(ムルホボク)が使われた。背負ってきた水は降ろさずに、そのまま腰を曲げて肩越しに水がめに注がれた』。 |
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博物館に入る前にもう済州島の「三多」が出てきました。「三多」とは、『石が多い、風が多い(強い)、女が多い』を意味します。火山島で岩石が多いので「石多」、季節風が強く台風の通り道でもあるので「風多」、男は沖で漁労中に死亡することが多かったので「女多」。
これで「三多」がお分かりになったと思いますので、次は「三無」。こちらは『泥棒、門、乞食』なのだとか。厳しい自然環境の中で生き抜いてきた済州の人々は相互扶助がモットー。他人の物を盗むことがなく、盗まれる心配がないから門も必要とせず、助け合いの精神から物乞いもない、で「三無の島」と言うわけです。 |
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ここに来れば済州島がわかる?:済州民俗自然史博物館 |
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館内は、自然史展示室、地質岩石展示室、民俗展示室、と順に見ていくようになっています。ただ、日本語の解説も整っていないし、オーディオサービスもなし、撮影も禁止、と言うことであまり印象に残っていないんですよね。一つ「フーン」と思ったのは、山高帽のような形の朝鮮男性の帽子の展示。素材は馬のたてがみと尾の毛だったんですね、知りませんでした。
入館料は1,000ウォンで、開館時間は08:30−21:00(土日は18:30まで)。休館日は、1月1日、陰暦の1月1日と2日、5月24日、陰暦の8月15日と16日、年2回の虫干し消毒期間(計6日)です。 |