爺ヶ岳

 山岳博物館の正面に見えているのが爺ヶ岳。若かりし頃、山頂にある爺ヶ岳山荘でアルバイトをしたことがあります。「大好きな山でノンビリできる」なんて甘いことを考えていたのですが、実際は何の何の。早朝起床し、夜登山客が寝てしまうまで、自由に小屋の外に出ることも出来ない。この忙しさには音を上げてしまいました。
爺ケ岳 2670m
爺ケ岳 2670m
二人の種まき爺さん
二人の種まき爺さん

 それでも遅番の日には朝ごはん前に山頂に駆け上がり、深い黒部の谷の向こうに聳える剣の勇姿に見とれたものです。ハイシーズンが終って少し余裕が出ると、お隣の鹿島槍までの遠出を許され、途中で見かけた黒百合に感激したのもこの頃のこと。野菜が少ないので、甘菜を摘みに行っておひたしにして食べたこと、夜中まで仲間と山の歌を歌い続けたことなど、今となっては楽しい思い出ばかり残る懐かしの山です。

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