部屋のお風呂に入ってベッドに横になると、疲れが出たのか寝入ってしまったようです。どのくらい時間がたったでしょう、突然耳元で爆発音が聞こえ飛び起きました。「何が起こったんだろう」とベッドの上で耳を済ませてみると、どうやら外で爆竹を鳴らしているようです。 |
電飾で光り輝く神輿 |
大急ぎで着替えてカメラだけ持って玄関に出てみると、数人の男性に担がれた電飾御輿がちょうど宿の前を通過中でした。これはお祭り、婚礼、それとも葬儀でしょうか?? |
真武大帝廟 |
子供たちと一緒に御輿の後をつけていくと、「真武大帝」と言う文字が煌々と輝く小さな廟の前に出ました。ここには大勢の方々が出入りし祈りをささげています。中に宿の方がいたので聞いてみると、日本語が話せる老婦人の前に連れて行ってくれました。その方の話では「今日は仏様の誕生日」とのこと。
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ムム、確か仏陀の誕生日は4月8日のはずですが、今日はまだ3月30日です。再度「仏様ですか?」と聞きなおすと「ええ、今日は神様の誕生日をお祝いするお祭なんですよ」と答えてくれました。なるほど、神様とはこの廟に祀られている真武大帝さんのようです。 |
廟の前に神輿が戻ってきました |
町を一巡りした御輿は、廟前の道(参道?)に戻ってきたようです。廟へと続く一直線の道で、爆竹と花火がより一層激しく鳴り出しました。何とも騒々しくも華麗なお清めです。 |
爆竹と花火の後に台車に乗せられた「真武大帝」と書かれた大きな旗が通りました。その後には上半身裸の男性が二人、剣を持って控えていました。何をするのかと注視していると、やがて周辺を清めるかのように踊り始めました。一心不乱のその様は、一種のトランス状態に入っているようにも見えました。 |
神輿から真武大帝像を取り外す (クリックで拡大画像に) |
剣舞の後御輿は廟の前に降ろされました。すると、今まで担いでいた方々とは別の男性が御輿に近づき、中央の像を取り外して抱きかかえ、廟の中へと消えました。どうやらこちらが「真武大帝」さんのようです。
画像をクリックすると「真武大帝」さんが大きくなりますので良くご覧下さい。長い髭を生やしたそのお姿は、端午の節句に飾る鍾馗(しょうき)(*3)様のようでもありますね。
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(*4)鍾馗(しょうき):疫鬼を退け魔を除くという神。巨眼・多髯で、黒冠をつけ、長靴を穿き、右手に剣を執り、小鬼をつかむ。日本ではその像を五月幟のぼりに描き、五月人形に作った。(広辞苑より) |