ヨルダンの首都アンマンからセルビス(乗合タクシー)で北上、数キロの緩衝地帯を抜けてシリアに入ると、砂漠がちだったヨルダンとここが陸続きだとは思えない、なだらかな牧草地帯が広がっていました。シリアはビザ取得手続きが大変だった国だけに、ダマスカスでセルビスを降りた時はちょっと緊張しましたが、街に警察官の姿が目立つほかは道行く人々の表情はいたってのどか、そしてここでも 「Welcome!」。
城壁に囲まれた中世の色濃い旧市街、ダマスカスの見所はここに集中しています。スーク、ウマイヤド・モスク、アゼム宮殿、聖パウロゆかりの教会に東門。ご覧のようにメイン・ストリートは車と同居なので、ボーッと歩いてはいられませんが路地に入れば大丈夫。 |
旧市街の中心、スークのアーケード |
あちらの路地、こちらの路地と気ままに歩いているとクンクン何やらいい匂い。それは半地下になったパン屋さん(パン焼き工場)。手まねで「写真撮ってもいい?」と聞き何度かシャターを押していると、「ハイ」と焼き立てのパンを手渡してくれました。「ショクラン(ありがとう)!」。 スークを歩いていて感激したのが公共の水道で、コップまで置いてある親切さ。中には立派な装飾をほどこしたものもあり、この街の歴史を感じさせてくれました。
シリアは「砂漠の国」、と言うイメージが強かっただけに、はっきり言ってこの水道には驚きました。ダマスカスを潤している水は、西の国境線にもなっているレバノン山脈からの伏流水。かつてレバノン杉で覆われていた山の恵みは、今もダマスカス市民の喉を潤し続けているのだなと、その水を飲みながら深い感慨にふけってしまいました。 |