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 そう期待はしていなかった遺跡ですが、付属博物館の展示品、巨大な石造栓抜きを見てにわかに興味が出てきました。リング部分に浮き彫りをほどこしたこの栓抜き、その正式名称は「ボール・ゲームのターゲット」。

 斜面の下に見えていた気になる四角い石囲い、それが球戯場でした。近づいてみますとその両壁にあの栓抜き。取っ手だと思っていたのは壁に固定するために埋め込まれる部分だったようです。
球戯場とターゲット
球戯場とターゲット
 『球戯は神聖な宗教儀式で、対抗チームのどちらかが生ゴム製のボールを輪にくぐらせたらゲームセット。それは首をはねる時を意味し、その血は豊穣を祈るため大地に捧げられた』と解説版にあります。

 首を切られるのは「勝者」「敗者」という両説があってどうやら「勝者側の主将」という説が有力らしのですが、真相は不明。いずれにしましてもこれ以来「ボール・コート」の存在が気になって、各遺跡を訪れるとまず球戯場を探してしまいました。

 山頂にあるマヤの神官が彫刻された神殿は、中央高原とユカタン半島のマヤ文明の関連性を研究する重要な遺構とされていますし、人類学博物館に展示されている「戦士の柱」は太陽との深い関わりを示す貴重な遺物と記されていました。歴史の谷間に沈んではいますが、ここは予想以上に重要な遺構だったようです。
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