1992年 1996年 |
| 私は肉類が苦手なので、海外に行くと食べ物に一番苦労します。シシ・ケバブ(ケバブは焼き肉のこと)が有名な、ここトルコもご多分にもれず肉がメイン。
この家に泊めてもらう事になった時、「お肉は食べられません」とゼスチャーで伝えてありますので、毎日スープと卵主体のお料理を作ってくれていました。ある日「ヨシコ、魚は好き?」と聞かれたので「イエス」と返事しましたら「ではこれから買いに行きましょう」、と車に乗せれました。
「トルコの魚屋さんてどんな風だろう?」と考えているうちに、道にどんどん山の中に入って行きます。「???」。30分以上も走ったでしょうか、着いた所は山間の鱒の養殖所。清流の水は冷たく澄んでいて、周囲の風景も日本ソックリです!この景色を楽しんでいると突然、「ヨシコ」と声をかけられました。
「どの魚がいい?」
| 結局この日は3匹の鱒を買って帰りました。私のためにここまで魚を買いに来てくれた、これだけでも涙腺がゆるみかけたと言うのに、夕食に出て来た鱒のムニエルは一匹が私、一匹が両親、残りの一匹が子供たち用でした。申し訳なくてフォークを出せずにいると「早く食べて」と皆が催促します。一口、口にすると「食べた、食べた」と皆が大喜び。
「卵以外に食べられるものがあって良かったね」という皆の気持ちが有り難くて、胸もお腹もすぐにいっぱいになってしまいました。 |
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