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 翌朝、町はずれの飛行場に行くと、大型乗用車ほどのセスナ機に案内されました。私を含む5人の乗客をのせ、いざ「テイク・オフ」。 五分もたたないうちに操縦士が右手を指して叫びます。「アストロ・ボーイ!」。「ウァー!」、右手の丘の斜面に宇宙飛行士です。それからは次々に「ホェール(鯨)!」「トライアングル(三角形)!、「ツリー(木)!」「ハンド(手)!」と叫び指差し、低く旋回してくれます。どちらサイドにも平等に見えるように、右回り、左回りと両方。
見ているだけで目が回りそうなモンキー
見ているだけで目が回りそうなモンキー
 最初は歓声を上げ続けていた機内が、ハチドリ、コンドル、と絵が進むにつれだんだん静かになってきました。地上絵最大といわれる「モンキー!」(猿)の所にさしかかる頃には、「お願いだから旋回しないで、まっすぐ飛んでくれませんか。」と頼みたくなるほどの気分が悪くなってきました。なるほど、座席のビニール袋はこのためのものだったのですか。

 翌日ナスカの町を歩き、昼ご飯を食べた店で何気なく「地上絵を見たことあります?」と聞いてしまって「いいえ」と返事され「ドキッ」としてしまいました。地上絵を見るために50ドル出せる人が、この町に何人いるでしょう。マチュピチュも同じです。彼らの祖先が残した遺産なのに、あの威容を目の当たりに出来るインディオはほとんどいない。何か悪い事をしてしまったような、そんな気持ちになってしまいました。
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