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 次に向かったのは未完の大寺、ダマヤッジ。遠くからも「あれがダマヤッジ寺院」と判る、力強く独創的な外観。ここは実父(先王)と実兄を殺して王位に就いたナラトゥが、贖罪(罪滅ぼし)のために建立したものです。

 『「より大きく、より繊細に、より風変わりに」と、罪滅ぼしの思いを込めた王の願い。それは天には届かず、この寺院建設中に彼自身も暗殺されて非業の最期を遂げ、この寺院が未完成のまま残された』。 経過が経過だけに後を引き継ぐものもなく、そのまま今に至っているのだとか。たった3年と言う在位の短さが、その間の異様な状況を物語っているようです。
ナラトゥ王が罪をつぐなう為建立した、ダマヤッジ寺院 (1165年)
ナラトゥ王が罪をつぐなう為建立した、ダマヤッジ寺院 (1165年)
Narathu (ナラトゥ王 : 1163−1165年)
 完成してたら確かに美しい寺院だったでしょうに、建築途中で見捨てられてしまった建物は、幽霊屋敷みたいで気味が悪い建物になってしまってました。

 中に入ると、他の寺院とは異なり動物の糞の匂いが鼻をつきます。その主はここに住み着いたコウモリ達。真昼間だと言うのに彼らは、時々奇声を発しては薄暗い室内を飛び交っていました。
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