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 『15世紀半ば、王都アンコールがアユタヤ王朝(タイ)に占領されると、都を交易にも有利なプノンペンに移した。しかしその後、強力な隣国ベトナム・タイに対抗する王が出ないまま、数百年の間に何度か都を移すことになる。1863年、カンボジアはフランスの保護領となり、1866年、当時の首都ウドンからプノンペンへと遷都された』。
 フランスの都市計画により街が作られた街は、往時は"東洋のパリ"と呼ばれるほど美しく、かつ繁栄していたのだとか。古き良き時代のプノンペン、見てみたかったですね。
王宮即位殿
仏頭を戴いた「即位殿」が印象的な王宮
 ところが1975年、この国は悪夢に襲われます。ポル・ポト軍による首都占拠、そして知識層の大量虐殺・・・。数年後、クメール・ルージュの手からカンボジアを取り戻してから、和平への長い道のりを人々は歩いてきました。私が最初に訪問した1996年当時、荒れ果てた街の様子にショックを受けたものでしたが、各国の援助もあって今は(外観上は)平和そのものです。

 でもその影で、貧富の差は確実に広がっていますし、売春やエイズ、麻薬の問題も抱えています。2003年1月末、タイ女優の発言に端を発したタイ大使館焼き討ち事件は、かつて隣国から受けた深い傷がまだ癒えていないことを物語っています。最大の援助国日本の一国民としましても、この国の未来は気にかかることです。
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