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| 引き上げられた陶磁器
| 引き上げられた陶磁器
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| 引き上げられた陶磁器
| 引き上げられた陶磁器
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| 沈没船から引き上げられた遺物は、数万点。そのうち陶磁器は、展示室の説明版によると「27,579点」だそうです。それも南宋時代の各窯の、様式も色も形も異なるバラエティーに富んだ焼き物達です。龍泉窯の青磁、景徳鎮窯の白磁、建窯の黒釉(代表は天目茶碗)と言った南部の窯から、磁州窯、定窯など北部の窯まで地方色も豊かです。
| 青磁文壷
| 展示室を歩くと、まるで「南宋の名品特別展」を見学しているような錯覚に襲われます。特にヒスイを思わせる青磁の美しさは魂まで吸い込まれてしまいそうで見飽きません。これらが無事日本に渡り、各地の有力者の手で後世に伝わっていたら、間違いなくそのいくつかは国宝に指定されていたことでしょう。何とも惜しいことです。
| 遺物は他にも、1,000点余りの紫檀木・大量の宋銭に金属製品、果物の種や香辛料などがありますが、驚いたのは、あの細かい胡椒がそのままの形で展示されていたことです。胡椒は中国政府が東南アジアから買い付け、専売品として国内市場に流通させていたもので、隣接国の韓国や日本にも輸出されていました。ここにあるのは、まさにその歴史の証人(証拠品)と言えます。 | 朽ちかけた木箱の中の胡椒
| ネットで調べてみますと、胡椒の生まれは紀元前の南インド。古代ギリシアでは医薬品として、中国に渡ると漢方薬として利用されていたとか。日本に入ったのは奈良時代で、正倉院御物の中に見られる胡椒が最古の記録。中世ヨーロッパでは「胡椒の価値は金と同じ」だったと言いますから、日本でも貴重なお薬だったんでしょうね。何しろ正倉院に収められているのですから。 |
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