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 寒くて日差しもない日でしたが、ここまで来たのだから川の上から落花岩を見てみようと、下に見えていた船着場まで急な山道を一気に下りました。遊覧船は、客が集まったら出航する、と言う不定期運航。この日は天候のせいか、ここまで降りてくる観光客が少なくて一人でヤキモキ。
遊覧船に乗ると、落花岩が良く見えます
遊覧船に乗ると、落花岩が良く見えます
 30分ほど待った頃、やっとカップルが降りてきて無事出航と相成りました。写真左手の断崖が落花岩。今でも岩が赤く見えるのは、『ここで亡くなった百済の女性の流した血で染まったからと言い伝えられている』とパンフレットには記されていました。岸壁の中ほどに刻まれた「落花岩」と言う文字は、17世紀の学者宋時烈の筆跡だそうです。下流のクドゥレ桟橋までは約10分の船旅で、料金は3,000ウォンでした。

 『百済時代は日本・中国との交易の中心地だった』と書かれたクドゥレですが、まだ整備中なのか重機がうなり声を上げ、桟橋周辺はまるで工事現場の様相です。この「クドゥレ」と言う地名、韓国語では「大きい国」を意味し「百済」をさす言葉だそうです。
船着場は、「大きい国」と言う意味の「クドゥレ」
船着場は、「大きい国」と言う意味の「クドゥレ」
 日本語読みでは「ヒャクサイ」となる百済を、「クラダ」と読むことに対して今まで疑問を感じませんでした。今回も「ハングルではそう発音するのだろう」とこちらに来たのですが、地図や案内を見てみると、「Baekje:パクジェ」となってどこにも「クダラ」らしき発音は見当たりません。

 帰国して百済関係の本を色々と読むうちに、『かつて百済は「大きい国:クン・ナラ」と呼ばれていたと知りました。それがこちらでは「クドゥレ」と発音され、日本では「クダラ」と呼び習わしてきたようです。
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