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 御柱街道を曳かれた本宮一之柱は、5月5日に社殿の横に無事建てられました。祭りの翌日、様子が見たくなって行ってみると・・・。以前でしたらここに柱が建っている事すら気づかなかったのですが、今回は別。1日曳いただけなのに、もう懐かしい特別な存在になっていました。「My Onbashira」です。

 柱を建てて神の降臨を願ったり、大地の豊穣や子孫繁栄を祈る風習は、韓国やネパールなどアジア各地に残されています。上社参道の入り口付近にある諏訪市博物館では、カトマンズ(ネパール)の"柱祭り"の様子をビデオで見ることができます。

 また能登半島の真脇遺跡や、金沢のチカモリ遺跡で発掘された巨木樹根は、その運搬・柱立ての労力を思うと「御柱祭にソックリ!」なことに驚かされました。
上社本宮一の御柱
上社本宮一の御柱
 ところが「所変われば品変わる」。太陽の再生や天体運行の安定を願う気持ちは同じでも、中米メキシコのマヤ・アステカ文明では「人間の心臓を太陽や大地に捧げる」という儀式になるのです。今回は"御柱"を通して、世界の広さと民族の多様性とを覗かせてもらったような気がしました。仏教が普及する以前は日本でも、「"生け贄"を捧げて祈願する」ことは各地で行われていたのでしょうが、今はその痕跡を探すのも難しい。その中で貴重な資料を展示しているのが、茅野市神長官史料館。ここに来ると、諏訪大社信仰の原点を見ることができます。

 蛇足になりますが、2005年に壱岐島を訪問した時、諏訪市から贈られたというこの年の御柱を見ました。「奥の細道」で芭蕉に同行した曽良は諏訪の生まれ。彼がかの地で客死した関係で、諏訪市が贈ったのだそうです。詳細は壱岐編を見て下さいね。

2005年1月10日よりのアクセス・カウント
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