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| 「昔ここに住んでいたのかも!?」と一瞬息を飲む。そんな気持ちを味わいたくて東奔西走した、世界あちらこちらをご案内します。 - 2009年02月25日更新 - | 世界の遺跡:チチェン・イツァ(メキシコ)
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2009年02月25日 : 房総半島の館山で、放送大学の面接授業「地学実習」があり、ウキウキと参加してきました。放送大学を卒業するためには、放送授業以外に20単位以上の面接授業が義務付けられていますが、「楽しかった」と先輩の評判が良かったのがこの授業で、前から狙っていたのです。
ただ、年に2講座しかないのと申込締切が早いため、昨年までは機会をいっしていましたが、今年は日程を調整し、やっと念願がかないました。授業のテーマは「海成段丘の地形発達史」で、講師は「貝が語る縄文海進」の著書を持つ松島義章先生です。 | 館山駅前ロータリーに置かれた沼サンゴ
| 館山駅に集合して路線バスを待つ間、駅前ロータリーにある沼サンゴの前で、「館山地域は、6000年前の縄文海進最盛期の波打ちぎわ(汀線)を示す証拠が海抜20数mの地点に残されている、日本列島の中でも最も地殻変動の激しい場所である」こと。又、「館山市の沼地区で発見されたサンゴの化石がその証拠の一つである」など最初の講義がありました。
千葉県の天然記念物に指定されている沼サンゴ層の解説文には『造礁性サンゴ化石の一種で、約6000年前の波打ちぎわの堆積物に着生していたものです。その後の隆起で、現在は海抜20mくらいのところに見られます』と書いてありました。
| 初日は香谷(こうやつ)地域で、1703年の元禄大地震で隆起した沼4面、2800年前に隆起した沼3面、そして縄文海進時に海底だった沼2面へと、段丘を登りながら時代を遡って行きました。この日は民家の裏山(海抜20m付近)にある海食洞窟も、その家の方のご好意で見せていただくことができ、先生も喜んでいたようでした。
宿泊は館山駅前の幸田旅館で、6000円に満たない宿泊費なのに何品もの魚料理を出してくれたのには感激してしまいました。でも夕食後に2時間の講義があったため、お酒が余り飲めなかったのは残念でした。 | 地形調査スタート地点:伊戸漁港付近
| 翌日は路線バスで房総半島南端の伊戸地区に移動、のはずでしたが・・・・。助手の方がバスの時刻を見間違えていて乗り遅れ、受講者の方々の車に分乗して現地に向かいました。
今日は2人ずつ組んで、海成段丘の地形測量です。まず最初に、10mを何歩で歩くか数えて歩幅を割り出します。次にハンドレベル(形態はオペラグラス。覗くとレンズの中央に仕切りがあり、片方に水準器の気泡が見えます)でメジャーポールを見て、各自の目線高を確認し、いよいよ測量の開始です。
| *ハンドレベルと歩測による、2人組の場合の調査法
| 1)メジャーポール係りが測定点を決めて立ち、ハンドレベル係りがその目盛りを読む。 2)ハンドレベル係りは測定点まで歩測、メジャーポール係りは次の測定点を決めて移動 3)それを繰り返してゴールの八坂神社下までの高さと距離を測量後、スタート地点に戻り役割交代して再測定。 4)目線高から読んだ目盛りを引いたものが標高差になる。 | *ハンドレベルと巻尺による、4人組の場合の調査法
| 午後は4人で組みになり、メジャーポール係り、ハンドレベル係り、巻尺係り、記録係と役割分担しての再測量です。私はハンドレベルの担当になりました。
今回レベラーは、海岸側と山側、両方の目盛りを読みます。従って、奇数計測点ではポール目盛りから目線高を引いたものが、偶数計測点では目線高からポール目盛りを引いたものが標高差です。この図でお分かりになりますか?
| 標高22m付近にあるゴールの八坂神社まで、たった370mほどの距離でしたが、尺取虫のようにしか進めないのでそれぞれ1時間ほどかかってしまいました。その後は全員一緒に測量した道を歩き、各段丘の境界面の講義を受け解散になりました。 | 海岸線から370m、海抜22mほどに位置する八坂神社
| 帰宅後、すぐに提出レポートの作成に入りましたが、午後の記録が一つダブっていたため計算が合いません。他のメンバーに連絡してデータを確定するのに、何と2日もかかってしまいました。データの照合は現地ですべきでしたね。
かなりの誤差が出ると思っていた2つのデータでしたが、表にまとめてみると高さで0.1m、距離で0.2mしか違わず、歩測測量が意外と正確なのに驚きました。でもそれは距離が短かったからで、簡単な装置で測量することの大変さも身に沁みました。歩測で日本全図を作った伊能忠敬には、本当に頭が下がります。
*印:当日配布された資料の、測量法の説明部分をお借りしました |
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